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明来6

 私は和哉の部屋をあとにした。帰り際に目の中に飛び込んできた、コップに放り込まれた二本の歯ブラシが、いつまでも頭から離れない。そして、くわえタバコで話す和哉の姿を思い出しては、六年という年月の長さを痛感していた。

 それから、何度か和哉にメールを送ったけれど、返事は一度も戻って来なかった。なぜか和哉との距離を感じて、部屋をたずねることはできなかった。
「魔法は、かからなかったわ。」

 今日もネットのメンバー募集のサイトを検索してみる。
 音楽、やらなくちゃ。これ以上、和哉と隔たらないように。私を、見失わないように。

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