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ルリ2

 猫ちゃん、どうしたかしら?
 私は帰宅の足を急いだ。今夜も寒い。生まれたばかりの子猫の安否がどうしても気になったのだ。アパートに着き、自転車置き場を見ると、黒い人影がうずくまっている。具合でも悪いのかしらと思ったけれど、あまり関わりたくなかったので、私は用心してその脇を通り過ぎようとした。
 ミャー。昨夜のか細い鳴き声がした。消え入りそうな鳴き声は、うずくまった人影の方から聞こえる。人影を除けて猫ちゃんを確認しようとしたとき、その人は振り向いた。男の人?立ち上がったその男の人の手には、小さな薄茶色が震えていた。
「かわいいよね。」
男は、25、6歳かしら。大事に猫ちゃんを抱え、笑って見せた。
「はあ。」
「かわいそうだよね。」
「はい。」
猫ちゃんを両手で温めるようにさすりながら、やさしい目をして言った。
「俺の部屋に連れて帰るよ。」

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コメント

更新されていると、いいもんですね~
書いているAkemiさんは大変でしょうけど、
頑張って書いてくださいね。

投稿: もんぺ~ | 2008年2月27日 (水) 10時05分

もんぺ~さん、
温かい激励をありがとうございます!
なかなか書く時間を取れず、
毎日更新できないのが残念です。
可能な限り連載して参りますので、
今後ともどうぞ宜しくお願いいたしますshine

投稿: Akemi | 2008年2月27日 (水) 23時27分

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