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明来16

 木曜日の夜、まさしさんと恵比寿で待ち合わせをした。
 例のものすごく美味しいトンカツ屋さんについての説明を、駅から歩きながら聞かされた。何でも、ミルフィーユトンカツと言うのだそうで、薄いお肉を何層にも重ねて揚げているということだ。ものすごくやわらかくて美味しいらしいと、彼は力説した。それって、お肉の質が悪いんじゃないかしら、とは思ったけれど、トンカツは私も大好物なのでちょっと楽しみだった。

 残念ながら、長蛇の列。開店時間内には食べられないということで、店の前まで行ったが断念することになった。そうなると、本当に悔しい思いが残る。ジューシーなお肉をからっと揚げた衣が包む。そんなトンカツを頭の中で描き、私の胃袋はすでにそれに反応していたからだ。
「必ず、また来ましょうね。」
思わず私は、力を込めて言ってしまった。
そんな私を受け止めた笑顔は、初対面のあの時と同じだった。そしてきれいな横顔を見せて言った。
「水なす食べてから、飲みに行こうか。」

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