« 明来16 | トップページ | 明来18 »

明来17

 大学生活にもすっかり慣れ、講義を聴くことにも集中力がなくなってきていた。少人数の演習にはさすがに緊張感があるが、大講堂での授業は物思いにふけるゆとりの時間と化してしまっていた。
 それだからと言うわけではなく、私の耳には教授の話は全く入って来なかった。昨日も今日も、妙に落ち着かない自分が居る。理由はわかっていた。水なす以来、まさしさんからは何の連絡もないのである。この一週間が、私にはとんでもなく長い時間に感じられていた。
 一昨日、思い切って私からメールをしてみた。「トンカツのリベンジは、いつにしますか?」って。けれどもメールは返って来なかった。トンカツじゃなくて、彼とは音楽の話をしなければいけない。彼が作ろうとしているバンドに、私も加入させてもらえるのか。もしもそれが可能だとすれば、私はどんな勉強をしてどんな曲の練習をしたら良いのだろう。やはりボーカルスクールとかに通わなくてはいけないのだろうか。
 こんや、電話してみよう。何時頃かければ、お仕事の迷惑にならないかしら。
 教育心理学のノートには、ただ意味のない図形が描かれていた。
 

ランキングに参加していますので、このバナーをクリックしてポイント加算にご協力ください。
   ↓ 

にほんブログ村 小説ブログへ

|

« 明来16 | トップページ | 明来18 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/533300/23257447

この記事へのトラックバック一覧です: 明来17:

« 明来16 | トップページ | 明来18 »