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明来14

 ちょっと並んだだけで、当日券は簡単に手に入った。それでも、会場内はかなり混雑していて、それなりにファンの多さを感じた。誘われなければ、絶対に聴かないジャンルかもしれないし、わざわざライブに来ることなど無かったであろう。ジャンルに関わらず、良いものは聴いておくべきだと思っているので、このライブに誘ってもらったことに感謝している。

 爆音とテクニックとプレイする姿に圧倒されたまま、2時間のステージは終わった。さすがにすごかった。なかなか興奮が冷めない、乾燥した喉を潤すために、赤レンガ倉庫内のカリフォルニアのにおいのする店を選んで、私たちはテーブルについた。
 話は尽きなかった。たった今終わったライブのこと、自分たちのやりたい音楽について、好きなアーティストについて…。彼の話の面白さに、私は終始笑いどうしだった。

 私たちは渋谷で別れた。私のアパートは、渋谷から井の頭線に乗り換える。彼の家は、池袋からやはり私鉄に乗り換えて数駅ということだった。
「今日は楽しかったです。誘っていただいて、ありがとうございました。」
「こちらこそ。付き合ってくれてありがとう。」
「じゃ。」
と、彼は私に背を向けて歩き出した。
 楽しかったけれど、彼がどういう人なのかは何もわからなかった。わかったことは、まさしという名であることと、偶然にも誕生日が私と同じであるということだけだった。

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