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ルリ8

 恋愛経験が少なく、男の人とどんな風に話したらよいのかもよく分からない私には、相手のことを知るということも難しかった。いろいろと聞くのは失礼な気がして、相手が話してくれることをただ頷いて聞いていた。もっと知りたいと思っても自分からはなかなか言い出せずにいた。
 だから、仁さんの仕事についてはよくわからなかった。解ったことは、月曜から金曜までの仕事と、土日の仕事と、二つのことをしているということだ。それじゃあ休みが無いじゃない!と思ったけれども、土日の仕事の方は、気持ちが解放されるし好きなことをやっているので辛くはないということだった。
 私は、休む暇のない彼のために夕食を作り、帰りを待った。ウィーク・デイの彼は、夕方6時頃に仕事から帰ると、マロンを連れて私の部屋を訪れた。一緒に食事をして、ひとしきり話をして、マロンと戯れて、自分の部屋に戻っていく。そして、土日は私にマロンを預け、泊まりの仕事に出かけ、月曜の夜に帰ってくる。
 果たして、こんな関係を恋愛と呼べるのか。私には自信が無かったわ。でも、私にとっては、仁さんとマロンと過ごす短い時間はかけがえのないものだったから、決して失いたくないと思っていたの。

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