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明来21

 独り暮らしの私の部屋には、一組の蒲団しかない。狭い寝床に二人で過ごす一夜は寝苦しく、何だか寝不足を感じる。
 ゆっくり話したいからと言った昨日の夕食後も、私に質問するばかりで、まさしさんはあまり自分のことを話さなかった。それでも、ご両親は既に亡くなられているということ、妹さんが一人いらっしゃるが、音信不通だということを話してくれた。そして、高校生の時からドラムを始め、今までにたくさんのバンド歴があるということ、長く続けられるバンドがやりたいということも話してくれた。ドラマーと聞いて、また和哉を思い出してしまった。
 「バイト、休んだら?」
時間になったので、そっと蒲団から出て支度を始めた私に気づいたのか、まさしさんが言った。
「う~ん。」
少し考えたが思考は働かず、
「そうね。風邪ひいたことにします。」
そう返事をしていた。

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